マインドフルネスで
ストレスに強い脳を作る
近年、様々な神経科学アプローチにより、マインドフルネスの効果が示されています。
マインドフルネスの経験値に応じてグループ分けし、マインドフルネス中の脳活動を測定した実験では、経験が豊富なグループは経験豊富でないグループと比較して、脳が意識的に活動していない時も働く、DMN(デフォルトモードネットワーク)の主要領域(内側前頭前野と後帯状皮質)が、全てのマインドフルネス瞑想法によって、不活性化されている結果を見出しました。
また、今この瞬間に起こっていることに、注意が向いておらず、意識がさまよう状態であるマインドワンダリングにならず、DMN(デフォルトモードネットワーク)の活動を抑制していることが示唆されました。
Brewer, J. A., Worhunsky, P. D., Gray, J. R., Tang, Y. Y., Weber, J., & Kober, H. (2011). Meditation experience is associated with differences in default mode network activity and connectivity. Proceedings of the National Academy of Sciences, 108(50), 20254-20259.
ヨガのゆったりとした呼吸で
セロトニンを増やす
身体が緊張状態にあり、交感神経が優位であるときには呼吸が浅くなり、十分な酸素が身体全体に届かなくなります。ヨガでは深い呼吸を繰り返しますが、この呼吸にはリラックス効果があります。深い呼吸をすることで、酸素の供給量も増え、副交感神経の働きが活発化し、緊張状態から解きほぐされ、自律神経のバランスを整える効果があり、ストレスの低減効果が得られます。また、ゆったりとした呼吸を行うことにより、脳内の二酸化炭素が微増することにより、縫線核が活性化します。
縫線核は中脳から脳幹にあるセロトニン神経の細胞体の集まりであり、活性化すると、セロトニンの分泌が増加し、安定した精神状態を保つことができます。
Severson, C. A., et al. (2003). Midbrain serotonergic neurons are central pH chemoreceptors. Nature neuroscience, 6(11), 1139.
Richerson, G. B. (2004). Serotonergic neurons as carbon dioxide sensors that maintain pH homeostasis. Nature Reviews Neuroscience, 5(6), 449.
Richerson, G. B. (2004). Serotonergic neurons as carbon dioxide sensors that maintain pH homeostasis. Nature Reviews Neuroscience, 5(6), 449.